5/06/2007

今作のテーマは「赦し」なのかー(遠い目で)

2007年度作品「スパイダーマン3 Spider-Man3」(139min)

ピーター・パーカーことスパイダーマンは今やNYのヒーローだった。MJへの想いも通じ公私共に充実していたピーターはまさに人生の絶頂期。対してMJは舞台キャリアでスランプに陥っていた。増長して彼女の心情を汲み取れないピーターにMJは距離を感じ始める。そして叔父殺しの真犯人がサンドマンに、親友ハリーがニュー・ゴブリンに、さらには宇宙から飛来した寄生生物シンビオートがスパイダーマンの分身、ヴェノムとなってスパイダーマンに襲いかかろうとしていた。

さぁてどうしたものか・・・。
えー観たのは世界封切り最速の日本公開日5月1日(火)にちゃんと観たのだが、なんかダメージが大きくて考えがまとまらない。今TVで「1」をやっているが・・・やはり「3」には前2作で感じられたスタッフのスパイディへの愛情が希薄ではなかったか。この点に関してはライミ監督には全幅の信頼をおいていたのでなお更ショック。ちょっと満足点と不満点を書き出してみよう。

× OPに「2」でアレックス・ロスを起用したようなコミック愛がない
● キルスティン・ダンストはやっぱ可愛い
× 隕石がそんなトコに・・・ってなぁ
× ニュー・ゴブとのアクションは凄いというかもうようわからん
× ハリーは全編場当たり的な役回りで厳しい(「24」の悪影響かなぁ)
● サンドマン誕生シーンはイイ。戸惑いと意思の力を短時間で絶妙に表現
× 黒服への変貌が、タイミングといいもうなんか適当
× 黒服スパイディの性能Up描写が特にない(台詞で言うなよ)
● MJにフラれるピーター(おい泣いてるぞコイツ!)
× 黒ピーター描写がやたら長い(面白いけど)
× グウェンってこんな空っぽな娘でいいの?
× 「たまたま」教会で脱黒服
× 「たまたま」教会にエディ来訪
× 「たまたま」エディに黒服合体
× エディにはなんのドラマ性もない
× いつのまにかサンドマンの目的が「蜘蛛殺し」に
× ピーターはハリーが元気だと思ってたのか
× おい執事それはないだろう
× 3度目の人質MJ
× ベンおじさん殺しの真相(1がつまんなくなる)
× ほとんどの問題が未解決

やはり思い返しても「見直したいかっこいいシーン」が思い出せない。パンフにもスタッフの熱っぽい語りはない。監督の言葉が載ってないのはやはりそういうことなのかなぁ。聞けばライミ監督はヴェノムが好きではないという事らしいし。Pが無理から差し込んだキャラなのかもしれない。確かにサンドマンがクライマックスの敵というのは「映画として弱い」とは思うけど。無理やりテコ入れキャラ挿入してどの要素も未消化薄味になるぐらいならヴェノムは切ったほうが良かったのではないか?そもそもサンドマンの能力の万能性は危険なものだと思う。どれぐらいの事が出来るのか?何がダメージになるのか?よくわからないのだ。僕が「2」を面白いと思うのは敵役ドック・オクのキャラはその点が明確な点だと思う。頭脳でもピーターを上回る科学者、タコとクモで足8本と対応し、壁を登るのもドクのほうが速い。なによりそのアームが自作であるという事によりドクは自力、全力を持って自分の人生を生きているのだ(イカレてるけど。あ、コレってジョジョの対決が全て面白い事の説明だな。能力のルール付けと全力人生)。そこがドクを好敵手足り得、「2」のクライマックスを盛り上げる要素として機能したのだ。その点においてサンドマンは描写が足りないし、ヴェノムに関しては足りないどころか、その出自の説明を完全に放棄したことによりドラマが存在しない。優良な大作を作り続ける事の難しさという永遠の命題に屈した感のある本作。やはり残念だったと言う思いだ。ヒーローもので第3作目をブレイクスルーしたのは「X-MEN3」だけかぁ。(僕はスーパーマン3も大好きですが)

スパイダーマン  ★★★
スパイダーマン2 ★★★★ 
スパイダーマン3 ★★

あ、「3」の音楽、もうエルフマンやってないじゃん!曲による盛り上がりも覚えてないから多分これもマイナス要素の一つに違いない!皆音楽を軽視し過ぎですよ。特にヒーローものにとって音楽ってのは・・・(続きは次回の講釈で)

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