7/30/2007

魔法(や)るか魔法(や)られるか!

2007年度「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
          Harry Potter and The Order of The Phoenix」(138min)

封切りで観てしまった。どんなけ好きやねんと。いや面白かったですよ。シリーズで一番文句なかった。話が対あのお方戦からブレる事なく進むのでイライラせずにすんだのがよかったかと。
とにかく全編殺伐としてます。人間界も殺伐、魔法界も殺伐、ハリーも殺伐としてて凄い。魔法省の強権的な雰囲気も抜群です。ラストも大量の黒帯級の魔法使い達が殺人魔法をドンパチするんですがここもカッコいいですね。殺陣師使って魔法を繰り出す動きに「アカデミック式」やら「ストリート系」やら違いを出したとかでガンガンきます。Only殺人魔法。もはやファンタジーなどというゆるい話からは百万光年の彼方。1作目から観続けてきたキッズとその親御さんも、さすがにこの辺りで

「なんかおかしくね?」

などと疑問を持ってきそうです。思えば1作目からこの原作者の倫理観には一抹の歪さを感じてた訳ですが、ココに来て作家のダークサイドが溢れてきた感じでしょうか?てゆうか本来やりたかったのはこの「殺人魔法大宴会」で、初期のゆるゆる学園モノがフェイクだったのでしょうか!?とするとまんまとハマりましたよ!ハーマイオニー単体ではもう持たないとファンの心が限界に来そうな所で新たなる美少女キャラを投入してきたりと抜かりのない作りにも好感が持てます。残りはあと2本なんかな?期待しちゃうなぁ。

最終作は是非バーホーベン監督で。★★★

1 件のコメント:

Litt Kidd さんのコメント...

さっき観ちゃった、リアルタイム更新体験。まあそれはそれとして、ハリポタ旋風すごいすね。
でも「世界で一番売れてるファンタジー」の行き着く所が殺し合いで、しかもその展開の方が面白い、てのはなんかアレな。

ファンタジーの機能というか、使命そのものとして、たとえばロードオブザリングは世界の明暗をかけて異種族同士が共闘する物語、ゲド戦記だったら、失われつつある世界の枠組みを超えて、新しい価値観とか社会的モラルを獲得するまでの物語、とゆーふーに、現実世界における何かと照応するようなもの(社会へのリンク)がある気がすんですよ。具体的には核の脅威だったり環境問題だったり、あらゆる種類の差別だったりと、人や立場により見方は違うと思うんだけど。そういう装置が埋め込まれているつうか、異世界を通して自分たちの社会を鑑みる、つうか。

でも普通の人間社会の外側に、魔法使い(の中のさらにエリートたち)の世界があって、その中での仇討ちやら遺恨ゲームやら覇権争いで終始してる(ように見える)ハリポタの世界って、極端に言うと「なんか面白い内ゲバやってる」ぐらいの見方しかできないんだよね。そこで加速してゆく殺人ゲームの面白さはどこか痛みを感じさせない種類のものな気がしてならなくて、それに感情移入してる少年少女がいっぱいいるのか、と思うと、なんかさあ。

もちろん個人的には「能力者同士の血みどろの闘い」とかたまらなく好きだし、週刊少年ジャンプ未だに読んでるし、殺し合いを描いたフィクションそのものも否定しない。でも、たとえばX-メンで描かれるミュータントたちの闘いと、ハリポタの魔法合戦はやっぱ違うでしょう。大部分の人には違わないかもだけど、僕にとっては全然違う。そういう意味ではたしかにバーホーベンはものすごく適任。きっと超笑えるハリポタになる。逆にバーホーベンのX-メンは観たくねえ。

まあ新作観てないでここまで書くかよって感じですが、こないだの原作最終巻の発売にティーンを中心にしたファンが並んだりしているのをニュースでみて、なんかちょっとオウェッてなったから書いちゃった。今書店に人、なかなか並ばないじゃん。それがハリポタかよ、みたいな。「現代のディケンズ」とか呼ばれちゃうのかよ、みたいな。心底好きな人、ごめんなさいネ。
全然関係ないけど、新しい美少女キャラ、マルホイに顔似てない?つーか長々とすみません。