4/30/2007

Gonna Fly Now

2006年度作品「ロッキー・ザ・ファイナル Rocky Balboa」(103min)

「情熱は皆が持つが、それを燃やし続けられる人は少ない」

かつてはヘビー級のボクサーとして国家的な英雄となったロッキー・バルボアも、今では還暦にさしかかろうかという年齢。既にボクサーは引退し、故郷のペンシルバニアで小さなレストランを静かに営んでいる。しかし息子は成人して家を出、なにより最愛の妻、エイドリアンを癌で失ったロッキーの心はこらえきれない空虚さに押しつぶされそうになっていた。そんな折、往年のボクサーをコンピュータシュミレーションで対戦させるというTVショーでロッキーが現役ヘビー級チャンピオンに勝った事で、にわかに世間のロッキー人気が再燃していた。

1976 「ロッキー」
1978 「ロッキー2」
1982 「ロッキー3」
1985 「ロッキー4 炎の友情」
1990 「ロッキー5 最後のドラマ」

現代の子供達にとってアクション・スターっているのかな?ジョニー・デップとかがそうなんだろうか?
76年に始まったスタローンの極めて個人的な作品であるこのシリーズ第6作目の本作。一応「5」の時点でもう終わり感は強かったのだが、改めて最終作という触れ込みで本作が作られた。実際本作のスライの入れ込みは並大抵のものではないと思う。それは僕もそうでとても感慨深かった。
実際シリーズとして僕は「ランボー」のほうが好きだし、ロッキーも一番思い入れのあるのは「4」だ。ロッキー第1作目の感動を僕はリアルタイムで知らない。しかし僕の世代のアクションスターといえば間違いなくシルベスター・スタローンなのだ。
もちろんこのロッキーの姿はスライそのものでしかない。彼に思い入れのない人が見てもこの作品が訴えかける力を持つかは僕にはわからない。多分「いい映画だったね」ぐらいの評価は受けるだろう。しかしそれ以上のものにはなり得ないと思う。
しかし「過去のスター」「事業に失敗」「今ではお笑い種」これらが全てスライの受けた評価であり、境遇であった事を知っている人間にとって、世間に「今更恥じをさらすこともないだろう?」と言われつつもあきらめず立ち上がるロッキーの姿にかつてのヒーローの生き様を観る事は難しい事ではない。

僕らが少年の頃に映画の楽しさを伝えてくれた先達は、僕らが大人になるにつれて老いて去ってゆく。僕は本作を観てる間中「スライがヒーローである世代」である事に感謝していた。思えばこのロッキー・シリーズほど「人生そのまま」感のあるシリーズはないのではないだろうか?シリーズがそうなったのはスライが真摯に作品作りを重ねた結果であるはずだ。いや、いい作品でした。 この歳でさえ感慨深いんだから、僕が60になった時、この映画のパワーはどんなもんだろうか?想像しただけで泣きそうだよスライ!

普通なら3つぐらいなんだろうけど、僕は★★★★

次はランボーもやるって事だけどそれはどうなんだろうか?まあ最新装備の次世代兵士に熟練の老齢ランボーが経験と老獪の闘いを見せつける!とかなら割と燃えるんだが・・・

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