4/15/2007

あなたがそこにいてよかった

「タイタンの妖女」に登場する不思議な生物“ハーモニウム”は、
「私はここにいる(I'm here)」と、
「あなたがそこにいてよかった(I'm glad you're there)」
の2つの言葉しか持たない。

http://www.zakzak.co.jp/gei/2007_04/g2007041219.html

僕は「タイタンの妖女」しか読んでなくて、しかも大好きって訳じゃなかったんだが(ハーモニウムは好きだけど)やっぱり「他にはいない作家」がいなくなるのはさみしい。ご冥福をお祈りします。

1 件のコメント:

アダモちゃん さんのコメント...

「プレイヤー・ピアノ」が積ん読状態で、俺もNAVADERに借りた「タイタン」しか読んだ事ない。
サブカル的文脈で名前を聞く事はあっても、実際にヴォネガットが60〜70年代のある世代のヒーローだったという事実やその空気感、はよく知らないしわからない。
でも「タイタン」の登場人物たちがたどる物哀しいストーリーや、運命に翻弄されることへの徹底して「引いてる」目線は、当時のアメリカがベトナム戦争の深みにはまり込んでゆく中で生じた、「俺たちゃどうなるんだ?」っていうような若者たちの焦りやもどかしさ、といったものにシンクロしてるのかもしれないな、とか、適当ですが、そんなことを思いました。
「タイタン」はかたちとしてはSFだけど、作品の質は「文学」とか「SF」とかいったジャンルに全く追従してないよね。そういう作家はすごいと思う。そんで矛盾するようだけど、そんな異能な人、異質な作品を含めることのできる「SF」は、やっぱりすごいし面白い、という風に思ったのでした。