4/21/2007

胸騒ぎの街角


気絶するほど仕事が忙しいんで、ハンドルネームを変えてみました。これで運気も変わるかも!我孫子校のアダモちゃんです。
ハンドルネームはもういっこ、シスター万葉ってのも考えたんですけど、これ思いついた時(昨日の深夜3時)は一人で爆笑してたんだよね。もうシスター!シスター万葉って!!万葉ってダハハ!!みたいな感じで。コーヒーこぼしそうな勢いでね。でも朝起きたら面白かったのは勘違いだった。
いま一番怖いのは、これ書いた後、明日とかにこれみて自分で落ち込みそうだなーって。何だこれ意味ねーって。まったく、深夜のノリはこわいですなァ。

マー忙しくてね、本読めないし映画が観れない。借りたりもらったりしたヤツが消化できないのが心苦しくて。にも関わらず借りたりもらったりしたのじゃなくて最近読んだ本を紹介するよ。それは橋本治の「桃尻娘」シリーズ。文学的な評価とかはわからないね。「フラニーとズーイー」の「フラニー」に近い読後感。橋本治を紹介するにあたってサリンジャーを引き合いに出すところがミーハーだし無知で軽卒。でも近いと思うんだからしょうがないんすよ。橋本治はSFも書くらしいね。読んだ事ないけど、だいたい僕、国産のSFをほとんどスルーしてきてるから、その内まとめて総ざらえしたいと思ってます。国産ので読んでるのは筒井康隆と星新一がちょっと、ぐらい。あと小松左京を加えて、SF御三家って呼ばれた時代があったとかなかったとか。んでしょ?

筒井は「虚構船団」が衝撃だったなあ。文房具型の宇宙人たちがディアスポラする話(たしか)で、登場人物全員が救いがたいほどの性的異常者もしくは人格破綻者。万歩計がコンパスを強姦する、とかそんな世界が展開してて、ウブだった(いろんな意味で)僕はひっくり返った覚えがあります。てゆうかそんな話じゃなかったかも。…ゴメン、読み直す。あと読みたいのは「脱走と追跡のサンバ」。でもきっとアブストラクトで超読みにくいんだよ?そんな噂聞いたことあるもの。あと「失踪日記」が面白かった吾妻ひでお、もちゃんと読みたいね。あの絵柄で難解なことやってたら楽しいと思う。こないだ古本屋でB4判くらいの上製本買ったら、それはどっちかっつーとSFというよりはエロ寄りだったんで。軟体宇宙生物とかセクサロイドとか美少女と動物のキメラでハーレム!とかそんな感じ。てゆうかエロ漫画家にSF好きが多いのは、多分SF漫画家ってスタンスというかジャンルじゃ食ってけないんだろうなあ。まあそれを言うならミステリ漫画家ってのも聞いたことないけど、でもホラー漫画家っているじゃない。とか4コマ漫画家はジャンル作家なのか?とか考えだすとキリがないのでやめとくけど、ひとつわかったのは、吾妻ひでお、真性のロリコンだなってゆうことでした。

だいぶ遠くまで行った話を戻すと「桃尻娘」シリーズとは、短・中編が連なってひとつのサーガをなしてるいわゆる青春小説(といっていいようなものだと思う)で、主人公の榊原玲奈とその周辺の人物の成長を高校時代から描いてるわけなんですが、特徴的なのはその文体で、ひと言で言えば口語体の一人称なわけ。だからあたしは思った、だってさァ、他にどうしろっていうの?ほんとにィ?…みたいな感じの、「現代っ子が友達に語りかけるような」地の文が続いてくんだよね。それがサリンジャーを想起させる第一の要因になってるわけです。で、文庫でいえば6冊で完結、みたいな構成なのかなぁ?まだ3冊目なんで、というか本屋にそこまでしかなかったんでよくわからないんですが、そんな小説を3冊も読んで思ったのは、ああ、俺ってつくづく「青春」が好きなんだなぁ…、ってことでした。

相当かっこ悪いよ、これは。かっこ悪いことはわかるんだよ。でも好きという、自分でも制御できないこの感じは相当に好きということで、つまりは相当にかっこ悪い、というスパイラルを生じていて。誰かさんに鼻をつまんだような顔をされた「げんしけん」も、きっとあれが青春マンガだから、俺は面白く読めたんだと思うのね。そんで開き直ってそんな青春モノの何がそんなにいいのか、ってことを考えると、俺がたまんないのは、登場人物が傷ついていくところなんです。恋愛でもセックスでも怠惰な生活でも暴力でも貧困でも成功でもなんでもいいんだけど、そうした強いベクトルを持つ何かに成長期のピュアさが阻害され破壊されるとき、その場面に発生する吸引力、というか心がダメージされるあの感じ。ああ…っていうあの「戻れなさ」みたいのがいいんだよね。この文章、誰にも伝わんなそう。んー、わかりやすく言うと、俺はひどい目にあってボロボロになっていく人が好きです。その後の彼や彼女が、そのままダメになっても、あるいはアイデンティティーを取り戻して再生するとしても、それはどちらでも面白いと思う。一番大事なのは、傷ついてるその瞬間や、ダメになりそうな予感、みたいな不穏な空気が流れてる間の当人の心の動きなので、そこから復活したらしたでよかったね、と思うしストーリーメカニズム的に感動もするし、ダメになっても、そこはそれで感じ取れる面白さはある。だから彼/彼女はどうなった?ていう結論はやっぱりそう大したものではなくて、傷ついて、失って、戻れなくなるまでの過程、そうゆうとこに強く惹かれるってことなんだ。そうゆうのってどうなのかね?あんまり趣味が良くはなさそうだ、ってのは自分でも薄々。

「桃尻娘」でも、主要な人物のほとんどが、精神的に、あるいは肉体的に、「もう以前の状態には復帰できない」くらいのダメージを受けてゆく。村上春樹的に言えば失われてしまう。「ひねくれた」「世の中を斜に構えてみてる」「ガキ」というものでさえいられなくなる。でもそれはありふれたことでもある。万人がそうではないかもしれないけど、青春の多くの場面では、獲得するより喪失することのほうが多いだろう。そう、俺の中では、青春って、失われていくものに他ならないんです。それが好きな俺は、つまりは青春真っ只中。悩んだりクヨクヨしたりってゆう弱さやためらいや何やから抜け出せたとき、やっと大人になれるのかもしれないなー。

まあそうは言ってもそうも言ってられないのが浮き世のつらいとこ。
会社員として、これからもがんばるよ。ぼく。


リアクションに困るモノのっけてスミマセン!

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

リアクションに困るぜ!

てゆうか桃尻娘って日活ポルノのやつ?

アダモちゃん さんのコメント...

そうそうアレ、ってか映画は見た事ないんですけど、確かに原作みたいですね。
タイトルが恥ずかしすぎて中高生当時は読めなかったんだよなー。アレ、今日は「ロッキー」行ってんじゃないの?